
水原一平
かつて大谷翔平の“右腕”として活躍した男の運命が、裁判所の一言で決まった。
2025年2月6日(日本時間7日)、米カリフォルニア州の連邦地裁は、ロサンゼルス・ドジャースのスター選手・大谷翔平の口座から約26億円を不正に送金した罪に問われていた
元専属通訳の水原一平被告(40)に対し、禁錮4年9カ月の実刑判決を言い渡した。
「信頼を踏みにじった重大な犯罪」
判決を言い渡した裁判官は、「スポーツ界における信頼関係を根底から揺るがす重大な犯罪であり、厳罰に処すべきだ」と厳しい言葉を投げかけた。水原被告は、ギャンブル依存に苦しんでいたことを主張し、情状酌量を求めたが、裁判所はこれを退けた。
検察側は「大谷翔平という世界的アスリートの信頼を悪用し、巨額の資金を不正流用した行為は許されるべきではない」と指摘。被害総額の大きさとスポーツ界への影響を鑑み、実刑を求めていた。
「大谷翔平との友情は終わった」
水原被告は、判決後に小さな声で「申し訳ない」とつぶやいたが、その表情は固く、反省の色が見えたのかどうかは定かではない。かつて二人は、苦楽を共にし、試合後には肩を並べて笑い合う姿も見られた。しかし、この事件が発覚して以降、大谷は「彼とはもう関わらない」と関係を断ち切っている。
大谷はこれまで一切の関与を否定しており、今回の判決に関しても沈黙を貫いているが、その胸中は計り知れない。
「ギャンブル依存の恐怖」 専門家が警鐘
水原被告の犯行の背景にはギャンブル依存があるとされる。スポーツ界だけでなく、社会全体にとっても「他人事ではない問題」だと専門家は指摘する。
「ギャンブル依存症は、借金や犯罪行為に繋がる危険性が極めて高い。特に著名人の周囲には誘惑が多く、金銭感覚が麻痺しやすい環境がある。水原被告の事件は、その危険性を改めて浮き彫りにした」と、依存症治療の専門家は警鐘を鳴らす。
「失ったものはあまりに大きい」
かつてはメジャーリーグ屈指の名通訳として、世界中のファンからも親しまれていた水原一平。しかし、一度の過ちが、彼のキャリアと人生を狂わせる結果となった。
禁錮4年9カ月——。
この刑期が終わる頃、彼の人生はどのように変わっているのだろうか。
信頼を裏切った代償は、あまりに大きかった。
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