レーシック(LASIK)とは、角膜の屈折矯正手術の一種であり、目の表面にある角膜にレーザーを照射することにより、角膜の曲率を変え視力を矯正する手術です。
レーシックは1990年代に欧米でその手術方法が認知されるようになり、角膜を矯正手術することにより、通常の正視の状態に近づけ、裸眼視力を向上することができます。
近視とレーシック
現在、眼科を受診する最も多い原因の一つが近視になります。もともと、日本人は欧米人と比較して近視の割合が高く、日本の人口の約4000万人は近視であるさえいわれてます。
通常、近視のない眼(正視)では、通常カメラでいう焦点が合った状態ですが、近視の場合には、光の焦点が網膜では結ばず、もっと手前で焦点を結んでしまうため、物がぼやけて見えている状態を近視といいます。近眼(きんがん)という呼び方も使われます。
日常生活を行う点では、メガネやコンタクトレンズなどで問題なく生活できますが、スポーツ選手や、目を酷使する職業の方などは、メガネやコンタクトレンズが使用できる場所も限られ、そのような際に、注目されているのがレーシックなのです。
遠視とレーシック
遠視とは、近視とは逆に網膜よりも後ろに焦点が合ってしまう状態のことを遠視といいます。遠視には2種類あり、
屈折性遠視
水晶体の屈折力が弱いため、網膜の後ろで焦点を結んでしまう状態を屈折性遠視といいます。強度の遠視の場合は、その医院やクリニックによって適応外になるため、検査が必要となってきます。レーシックでは、この屈折率を矯正することにより、視力を回復させます。
軸性遠視
上記、屈折性遠視と同じく、網膜の後ろで焦点を結んでしまう状態ですが、こちらは水晶体の屈折率ではなく、眼軸が短いため起こる症状です。特に、まだ目の発達してない子供には起こりやすい症状で、発達が上手くいかないことにより、弱視や斜視となることもありますので、早めの対応が必要になってきます。
上記のような症状が出てしまうと、無理して裸眼で頑張っていることにより、眼の筋肉がいつも緊張している状態になってしまい、目にストレスが強くかかってきますので、注意しましょう。そのため、レーシックで早めの治療が必要になってきます。
乱視とレーシック
通常、目に入った光は角膜や水晶で屈折し、網膜で一つに結ばれます。乱視とは、屈折率が異なる部分が存在することにより、焦点が複数に分かれてしまうため、物がぼやけて見えたり、二重三重に見えたりすることをいいます。
最近では、乱視用のコンタクトレンズも普及してきて、便利になってきました。しかし、ワンデータイプのコンタクトレンズは、まず着脱が面倒で、乱視の場合には取り寄せになることも多く、なによりコストの面で多大な負担を強いられます。
さらに乱視により目が疲れやすくなるため、レーシックで乱視を治すことにより目の疲れを軽減することができます。
老眼とレーシック
目は、年を取ることによって目の筋肉が衰え、目の水晶体が硬くなってくるため、その焦点を合わせる調節機能が衰えてくるのが老眼になります。
近視は、もともと近くのものに焦点が合っている状態ですが、老眼の場合は、40歳を過ぎたあたりから、近くのものがだんだんと見えにくくなってしまいます。
一昔前ではレーシックでの老眼治療はあまり行われていませんでした。しかし、近年では欧米でも安全基準を満たしたスープラコアという、エキシマレーザーを使用することにより、角膜自体を遠近両用のコンタクトのようにするレーシックもあり、現在日本でも積極的に取り入れられています。
白内障手術とレーシック
目の中でレンズの役割をしている水晶体が濁ってしまうことを白内障といいます。本来透明であるはずの水晶体が、年を重ねる事によって白く濁ってしまう症状です。
一旦、白内障になってしまうと白く靄がかかったような状態になってしまい、全体は見渡せるのですが、急に外に出て強い光を浴びた時などは、眩しさを強く感じるようになり、その症状が進むと日常生活を送ることさえ困難になってきます。
その中で、考えられる方法として、単焦点もしくは多焦点(遠近両用)のレンズを、水晶体の部分に挿入する方法が取られてます。費用は通常のレーシックと比べて高額(両目で25万〜)になってしまいますが、実際に目が見えなくなってしまってからの手術は格段に難易度が上がってくるため、少しでも症状が現れた早い時期に受ける方が近年多くなっています。