それは突然の訃報であった。
ブルースの帝王の死
B.B.キング
本名:Riley B. King
1925年9月16日、ミシシッピ州の北西部、Itta Benaで生まれる。幼少の頃は小作人として働き、ギターを手にしてからは、すぐにその才覚を認められ、偉大なる階段を駆け上がってゆく。時は経ち、メンフィスのラジオ曲でDJをするようになった時、その番組のスポンサーの飲料名より、
“The Pepticon Boy”
と名乗っていたが、後に、
“Beale Street Blues Boy”
となり、それを略して、
“Blues Boy”
すなわち、
“B.B.”
これが、後に「ブルースの帝王」と呼ばれたB.B.キングという名前の由来である。
1969年には”Thrill Is Gone”のリメイクにてグラミー賞を受賞
その後は、新曲のリリースこそ少なくなるが、TVショーへの出演やライブを重ね、1988年にはU2と共演。その後も、様々なミュージシャンとも親交を深める。記憶に新しいところでは、エリック・クラプトンと、アルバム”Riding With The King”での共演がある。そして、1987年にはロックの殿堂入りを果たす。
愛器『ルシール』
キングが演奏していたクラブで大火事が起き、皆が非難する中、キングはその危険を省みず、自分のギターを救出に向かう。その火事の原因こそが「ルシール」という女性をめぐった男性たちの喧嘩だったため、そのような行いを二度と起こさないようにと、その救い出されたギターに『ルシール』と名付けた。
音楽性
正に「ブルースギタリスト」と称するにふさわしい演奏スタイルで、派手なテクニックや速弾きなどはせず、一音の説得力で聴衆を魅了する。そして、彼自身も幼少の頃から通った教会でゴスペルを歌っていた経験から、図太いヴォーカルも披露するが、歌っている時には一切ギターを弾かない。
キングによると、
「歌いながらは弾けないんだよ」と照れて話すのだが、
自分が歌っている時、ギターは歌わない
そして、
ギターが歌っている時、自分は歌わない
ここにキングの哲学をみると共に、心からのご冥福をお祈りします。
R.I.P Blues Boy